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テレワークの動向に注目(2021年2月)
主席研究員 丸尾 尚史
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■コロナ感染症拡大下でのテレワークの状況

新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、テレワーク(在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務)を導入する企業が増加している。 東京都の調査では、2020年3月~4月の1か月間で導入企業の割合が38.7ポイント上昇するなど、全国的にテレワークの導入が進んだ。

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■コロナ感染症拡大以前のテレワークの状況

では、コロナ感染症拡大以前の状況はどうだったろうか。総務省等では拡大以前からテレワークの導入を推進してきたものの、その割合は2割程度にとどまっていた。また、テレワークを利用する従業者の割合(令和元年)は、「5%未満」が46.9%、「5~10%未満」が4.8%となり、過半数の企業で、テレワーク利用従業者が10%に満たなかった。

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その一方で、導入企業の目的(複数回答)としては、「業務の効率性(生産性)の向上」をあげる企業が68.3%と最も多かった(図表非掲載)。また、効果については「非常に効果があった又はある程度効果があった」との回答が83.7%を占めている。

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■まとめ

コロナの状況下におけるテレワークは、いわば緊急避難的に導入した企業が多く、生産性(効率性)よりも感染拡大防止に主眼が置かれていた。また、導入したくてもふさわしい業務がないという声も聞かれた。

一方でコロナ以前のそれは、業務の効率性(生産性)の向上を主目的とし、多くの企業ではその効果も表れていた。ただし、テレワークを導入している企業の多くでは、利用した従業者が限られていた。言い換えると、テレワークの利用者は、家族等の介護や育児が必要な一部の人や、効果が出る部署・業務が中心だったとも言えなくはない。

遅々として進まなかったテレワークが、奇しくもコロナが契機となり進んだが、収束(終息)後にこのまま勤務形態の一つとして定着するのか。答えを出すには、今しばらく動向をみていく必要がありそうだ。