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2024年6月6日
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奈良県の経済、大阪府の経済、京都府の経済を更新しました。
粋なら(奈良の風景)

鍋蔵山(かぞうざん)東明寺(とうみょうじ) (大和郡山市)

奈良県北西部、矢田丘陵の中腹にある東明寺は693年、日本書紀の編さんに携わった舎人親王(とねりしんのう)により開基されました。持統天皇の眼病回復を願う舎人親王の夢枕に現れた白髭明神のお告げ通り、山の霊水で目を洗ったところたちまち眼病が快癒し、その際、東の方角が明るく見えたことから寺号が『東明寺』となりました。

本堂には五代将軍徳川綱吉の母、桂昌院が寄進した色鮮やかで細かな細工が施された宮殿(くうでん)厨子(ずし)があり、本尊薬師如来坐像が安置されています。厨子の両脇には十二神将像、毘沙門天立像と吉祥天立像が並び、特に本尊薬師如来坐像は全体的に細身でありながら肩幅が広く、細くくびれた腰の逆三角形をしており、挙げた右手の肘と体の間に広い隙間のある珍しい姿をしています。肌は淡い朱色、衣は濃い朱色だった名残が口元や衣に見られ、その佇まいはどこか異国情緒を感じさせます。また1980年代に行われた赤外線調査の結果、ただの一枚板のように見えていた板光背に墨一色で繊細で細やかな唐草風の文様が描かれていることが分かりました。この文様はインドのグプタ朝(4~6世紀)で流行した柄といわれ、他では見ることのできない大変貴重なものです。

山深い寺を訪れると、鳥のさえずりと共に緑がまぶしいモミジの葉がサラサラと風に揺れる音が心地よく、張り詰めた心も解けていくようです。
(村井 渚)

※拝観には予約が必要です。ただし『本尊・寺宝特別開扉』(6月1日から15日)は、予約不要で拝観できます。


鍋蔵山 東明寺
大和郡山市矢田町2230番地
℡0743-52-7320
(写真:当研究所撮影)


木々の緑が美しい山門

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*本ページ上部右の写真は、大台ケ原・大蛇嵓(だいじゃぐら)の新緑・上北山村