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奈良県の宿泊施設の現状 ~2013年の宿泊旅行統計調査結果から~(2014年10月)
主席研究員 島田 清彦
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■2013年の延べ宿泊者数は全国46位

観光庁の「宿泊旅行統計調査」によると、2013年の延べ宿泊者数は日本全体で4億6,589万人泊、実宿泊者数(宿泊手続をした人)は3億4,948万人。

奈良県の延べ宿泊者数は約248万人(全体の0.53%)で全国46位。宿泊施設タイプ別のシェアは、旅館が30.6%で最大、ビジネスホテル27.4%、シティホテル19.6%と続く。

■定員稼働率からみた奈良県宿泊施設の現状

全宿泊施設の定員稼働率(延べ宿泊者数÷総収容人数)の全国平均は36.3%。都道府県別では、東京都が65.8%、大阪府67.7%、千葉県・京都府48.4%、神奈川県46.8%、沖縄県46.7%と続く。

奈良県の定員稼働率(24.6%: 43位)を従業者規模別にみると、「100人以上」は60.0%で9位(全国54.3%)、近畿では大阪府73.7%、京都府70.1%に次いで3番目に高い。一方、「30~99人」34.9%(46位:同46.5%)は近畿最下位、「10~29人」29.8%(44位:43.6%)は和歌山県27.2%に次いで2番目に低い。

宿泊施設タイプ別では、奈良県の旅館の定員稼働率は17.0%と全国(22.2%)より5ポイント低く、全国43位。月次ベースでみると、全国平均を上回った月は無く、1月・2月・7月・8月・9月の5か月は全国平均より15ポイント以上下回っており、県内宿泊施設の低迷ぶりが際立っている。特に、旅館は1月・2月が9%以下と低く、春・秋の行楽シーズンでも20%弱にとどまる。

県内ではホテル誘致の動きがあるが、大型ホテルが進出した場合、閑散期は既存施設の定員稼働率の低下や価格競争を招く懸念があり、既存施設の活性化や稼働率の底上げが不可欠だ。

ただ、ホテル進出の可否に関わらず、この懸念が杞憂に終わることもありうる。(島田清彦)

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図2

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