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農業や製造業、サービス業など、様々な分野で人材不足が深刻となる中、外国人材への期待が高まっている。2018年推計人口調査(年報)によると、奈良県の人口に占める外国人の割合は0.84%で、市町村別では、川西町が2.80%で最も高く、安堵町(2.32%)、天理市(1.41%)、下北山村(1.25%)、東吉野村(1.15%)、吉野町(1.12%)、御所市(1.07%)と続く。また、外国人の転入超過が多い市町村は、奈良市(271人)、橿原市(142人)、生駒市(114人)、葛城市(82人)、天理市(80人)の順となっている。
各市町村の社会動態(転入、転出の状況)を日本人と外国人に分けてみると、39市町村のうち27市町村で、日本人が転出超過、外国人が転入超過となっている。特に川西町、安堵町および東吉野村は、外国人の転入超過が日本人の転出超過を上回っており、人口規模の維持に外国人が大きく寄与していることがわかる。
2017年から2018年にかけて、奈良県全体の人口は8,187人減少(対前年比△0.61%)しているが、県外からの外国人の転入超過1,222人を除くと、減少数は9,409人(同△0.70%)となり、外国人の増加が奈良県の人口減少ペースを緩めるブレーキとなっていることがわかる。さらに2014年以降の4年間における外国人の社会動態をみると、2015年が486人、2016年が744人、2017年が626人と、いずれも転入超過となっているが、2018年(1,222人)は前年の2倍近くに外国人が急増していることがわかる。
昨年は外国人技能実習生の滞在期間が延長され、今年4月には改正入国管理法が施行された。奈良県では京奈和自動車周辺を中心に企業誘致が進められており、県内の外国人人口は今後もさらに増えると見込まれる。人口減少が着実に進む中、奈良県の産業基盤の弱体化や地域の衰退を防ぐうえで、外国人の存在感は今後益々高まるだろう。
受入れ企業と自治体が連携して、地域住民との交流機会を設け、互いの国や文化を学び合えれば、良い意味での“よそ者”を受入れる寛容な風土が醸成され、外国人の孤立を防ぎ、治安の維持や地域の魅力向上、ひいてはUターン・Iターンの促進、人口減少の抑制にもつながるのではないだろうか。