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2025年に開催予定の「大阪・関西万博」。55年ぶりに大阪で開催される本万博は、SDGs(エスディジーズ)(持続可能な開発目標)達成に貢献するとともに、関西一円の地域活性化につながると期待されている。自治体や企業、市民団体といった枠を超え、多様な主体が参画することが望まれる。
■「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマ
本万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」である。本万博を通じて、我々一人ひとりが自らの望む生き方を考え、自らの可能性を最大限に発揮できるようにするとともに、そんな生き方を支える持続可能な社会を国際社会が共創していくことを意図している。
コンセプトは「未来社会の実験場」である。本万博の会期前から、多様な参加者がそれぞれの立場からの取組(例えば、健康・医療、カーボンニュートラル、デジタル等)を持ち寄り、会場内外で積極的なチャレンジを行うことが期待されている。未来社会を考えるだけにとどまらず、自ら行動し、多様なプレイヤー同士のイノベーションの誘発を企図しているのが特徴である。
■SDGsが達成された姿を描く
SDGsの達成年限(2030年)まであと5年というタイミングで開催される本万博は、世界中から優れた取組を持ち寄り、会場全体でSDGsが達成された未来社会の姿を描くことを企図している。
また、近畿経済産業局の「万博活用地域活性化戦略」では、関西全体を本万博のパビリオンと捉える構想が提言されている。一例を挙げれば、関西各地の工場の「オープンファクトリー」を通じたものづくりの魅力の発信や、地域産品の世界的なブランド化などが期待されている。これも見方を変えれば、地域内経済循環が回り、ローカルSDGsが達成された姿と考えることができよう。
■「幸福な生き方とは何か」を考え行動する機会に
コロナ禍を経て、生活様式や価値観の大きな変化に直面している今だからこそ、本万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」は重く響く。思いある一人ひとりが「幸福な生き方とは何か」という根源的な問いでつながり、多様な価値観を尊重しつつも自らの価値観を発信し、仲間とともに考えながら行動することが求められている。
現在、「TEAM EXPO 2025」プロジェクトにおいて、万博のビジョンに共鳴する多様な主体の自主的な参加を募っている。この機会に自治体、企業、市民団体という枠を超えた多くの主体が、未来に向けた新たな一歩を踏み出すことを期待したい。