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■パーソナルスキルとは
データやデジタル技術の進化による産業構造の変化に対応できる人材を育成する基準を経済産業省等が体系化しました。注目したいのが次表のヒューマンスキルとコンセプチュアルスキルによって構成されるパーソナルスキルです。
■専門知識だけでは進化できない
デジタル化で会社を経営革新して進化させることを期待していても、社員のパーソナルスキルが低かったことが原因で、不本意な結果に終わることがあります。
最近は中小企業でも他社の廃業で遠隔地の事業譲渡を受ける様な事例もあり、結果として事業毎にシステムや業務プロセスが異なる状況になることがあります。その際に社員の交流がないままにシステム開発をすると個々の事業所では問題がない開発でも全社的に見た場合に問題となる可能性があります。
例えば営業担当者が顧客との商談で商品情報を検索するシステムを開発する場合、本来は各事業の製品を一元化して検索できるようにすべきですが、ゴール設定が不十分であったために事業毎に個々に検索システムを開発した結果、営業担当者は客先で複数の検索画面を開いて何度も検索するような不便さが残ってしまったというような事態になりかねません。双方のシステム担当者が複数の開発業者を連携させて一元化する発想を持てなかったことが原因です。
パーソナルスキルを高めて所属する事業所以外にも関心を寄せればコラボレーションの必要性に気づき、論点を構造化して解決案を盛り込んだシステム開発を検討できるのではないでしょうか。
【参考文献】
経済産業省:「デジタルスキル標準」
https://www.meti.go.jp/press/2022/12/20221221002/20221221002.html