平成27年12月1日に労働安全衛生法に基づく「ストレスチェック制度」が施行されました。
近年、仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じている人の割合が約6割を超え、過労による脳・心疾患やストレスによる精神障害など心身症を発症する人が増加し、職場におけるメンタルヘルスケアの必要性が高まっています。
メンタルヘルスマネジメントの本によると、ストレスの要因(ストレッサー)は、仕事、職業生活、家庭、地域などに存在し、心の健康づくりは、労働者自身がストレスに気付き、これに対処すること(セルフケア)の必要性を認識することが重要だとしています。
人はストレッサーを経験するとストレス反応を示し、これを緩和すべくストレス対処(コーピング)します。コーピングが成功するとストレス反応は低下しますが、コーピング容量を超えるストレスを受けたり、長期間継続してストレスを受け続けることなどで、ストレスが改善されず慢性化すると、うつ病などのメンタルヘルス不調に陥り、メンタル面の疾病だけではなく、身体面での不調(心身症)に至ることがあります。
厚生労働省が実施(運営は一般社団法人日本産業カウンセラー協会)している「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト『こころの耳』」というホームページの中に、「5分でできる職場のストレスセルフチェック」があり、簡単にセルフチェックをすることができます。自分では気付きにくいこころの健康状態を、このようなサイトを利用して確認してみてはいかがでしょうか。
現代社会の中で、ストレスとの付き合いは避けることができず、誰しもメンタルヘルス不調になる可能性があります。
こころの健康づくりの第一は、ストレス反応に気付くこと、第二は、ストレス反応を解消するための行動を起こすこととされ、行動には、リラクセーションや、ストレッチ、適度な運動、快適な睡眠、親しい人との交流、笑う、仕事からはなれた趣味を持つなど日常生活に簡単に取り入れやすい項目が上げられています。
日頃からメンタルヘルスに関する正しい知識を持ち、ストレスとうまく付き合い、人生を豊かにしていきたいものです。